キャッシュフロー(CF)は一言でいえば「お金の流れ」です。会社にとっては家計簿であり、同時に健康診断書のような存在。損益計算書の利益では見えない「現金が入ってくるのか/出ていくのか」を可視化することで、経営の実態が掴めます。これは経営者だけでなく、投資家や会社員にとっても、勤め先の健全性を判断するうえで欠かせない視点です。
👇この記事で分かること👇
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- 難しそうなキャッシュフロー(CF)がぐっと身近に感じられる
- 会社のお金の流れをサクッと診断できる
- CFの「5つの型」で経営の健康状態をつかめる
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キャッシュフローの基本
キャッシュフロー計算書は現金の動きだけを3つに分けて整理します。細かな科目に圧倒される必要はありません。まずは合計値を3区分に置き換えるだけで、企業の輪郭が見えます。
3つの活動区分
- 営業活動CF … 本業の出入り(例:販売入金、仕入・人件費・広告費・税金の支払い)
- 投資活動CF … 将来に向けた投資・回収(例:設備購入・売却、子会社投資)
- 財務活動CF … 調達と返済(例:借入・社債・増資、返済、配当)
各区分の読み方
営業活動CF(本業での出入り)
本業で現金を生み出せているかを示します。プラスが基本線。マイナスが続く場合は、商品・価格・回収条件・販管費の見直しなど、事業そのものの改善が必要なサインです。
投資活動CF(将来のための投資・回収)
設備や不動産、M&A・持分取得、金融資産の取得・売却など。
誤解注意:マイナス=悪ではありません。成長のための積極投資を映すとき、理想的なマイナスになります。反対にプラスが続くと、資産売却や縮小の匂いがする場合もあるため中身の質を確認します。
財務活動CF(調達と返済)
借入・社債・増資でプラス、返済・配当でマイナス。ここは単独では判断せず、営業・投資とのバランスで読みます(投資を支える計画的な調達か、借入依存に陥っていないか等)。
CFを見る3つのポイント
- 営業CFはプラスか? → 本業の稼ぐ力の最重要指標
- 投資CFのマイナスは健全か? → 何に投じているか、質を見る
- 財務CFの動きは整合的か? → 調達・返済・配当の方針と依存度
家計に置き換えて理解
- 給与収入=営業CF
- 家電・資産の購入=投資CF
- 住宅ローン返済=財務CF
3つを合算した手元現金が増えていれば、現金体力は強化されています。
5つのパターン早見表
各パターンの解説
1. 健康経営:営業+/投資−/財務− — 本業のキャッシュで投資・返済を回す理想形。
2. 攻め型:営業+/投資−(大)/財務+ — 堅調な本業+積極投資。不足分は調達で補完。
3. 治療型:営業+/投資小/財務− — 返済や配当を優先し財務体質を改善。
4. 勝負中:営業−/投資−/財務+ — 挑戦局面。成功すれば成長、失敗は資金繰り悪化。
5. 衰退型:営業−/投資+(売却)/財務− — 資産売却で凌ぐ。中長期で危険。
IRの数値を矢印に転置する手順
- IRのCF計算書から「営業・投資・財務」の合計値だけを拾う
- プラス=青↑/マイナス=赤↓で並べる
- 期首現金 → 3本のCF → 期末現金のフロー図にする
- 傾向(営業の厚み/投資の積極度/調達依存度)を一目で把握
倒産は「赤字」よりも「現金切れ」
多くの企業は、赤字になった瞬間に倒れるわけではありません。現金が尽きると即アウト。だからこそCFは、PL・BSと並ぶ財務三表の要。
例:売上が好調でも売掛金が膨らみ回収が遅い/支払いは先行 → 手元資金がショート → 支払不能で倒産。
時系列で分かる危険信号
- 1年目:営業+/投資−/財務+
- 2年目:営業△/投資−/財務+
- 3年目:営業−/投資0/財務+
- 4年目:営業−/投資0/財務0(調達が止まる) → 現金ゼロで倒産
まずは営業CFの維持、次に投資CFの質、そして財務CF依存をトータルで確認しましょう。
まとめ
- キャッシュフロー=現金の流れ。3区分(営業・投資・財務)で全体像がすぐ掴める
- 営業CFプラスが大前提。投資CFマイナスは前向きのことが多い
- 5つの型で企業の状態を素早く診断
- 倒れる原因は現金が尽きること。PLの利益だけで判断しない
さいごに・・・
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